過去と未来

少し前に「2ちゃんねる」で、

"過去の自分に一通だけメールを送れるとしたら"

と言うスレがありました。

当時、中学二年生くらいの僕は過去に対する後悔はあまりなく、あったとしてもあの時に早く寝ていればよかった。とか、あの時にお年玉を貯金して、今度出るゲームを買うべきだった。とか、そんな小さく、子供染みたものでした。

 

このスレを知ったきっかけは、YouTubeでした。

学校が終わり、部活も辞めてしまった僕は家に帰ってからもやることがなく、YouTubeで動画を漁るくらいしかやることがなかったのです。

そこで、いくつかアーティストの公式動画を流していた時に、"flumpool"と言う有名なバンドの、"残像"と言う曲が耳につきました。

 

「この身を削っても、と想える人さえもいつかは会えなくなる それが人生と割り切れるものなど思い出のどこにも書いてないよ。」

 

「誰もが、涙を知ることで大人になる。」

 

この2つの歌詞が多感で、生き方に迷っていた自分に突き刺さりました。

それまで、僕はクラスでも「これはこうだからしょうがない。」

「こうなっちゃうんだろうから、努力も無駄になるけど、ああだから諦めよう。」

そんな冷めた気分でした。しかし、この歌詞に出会って、割り切れないものがあってもいいんじゃないかなと。納得いかなくて、悔しい思いをしてもいいんじゃないか。そんな風に思えました。

 

そこから、僕はその曲を毎日の様にYouTubeで検索していました。

そこて引っかかったのが、"過去の自分に一通だけメールを送れるとしたら"でした。

このスレをスライド式にして、そこに"flumpoolの残像"を流す。そう言う動画でした。

気になった僕はそれを見た瞬間に、様々な感情が溢れて仕方がなかったのを覚えています。

この時に僕は、人の数だけ後悔がある事を知りました。

例えば、学校を休みがちな友達を急いで病院に連れて行け。

あの時、あの子はお前のことを待ってたんだぞ。とか。

本当に多種多様ですね。

そして僕は考えました。何が僕の後悔なのか。果たして僕に後悔はあるのか。ありすぎて何が後悔なのかもわかってないんじゃないか。それはもう色々と。

その時は、大変僕を可愛がってくれて、愛してくれた祖母が少し前に病で亡くなっていたので、もっと早く病院に連れて行くこと。僕がお願いしたら間違いなく祖母は信じてくれるから、一秒でも早く連れて行け。と言う内容で収まりました。

当たり前ですよね。誰よりも愛してくれた人の事を助けたいと後悔するのは当然です。

 

そして、そこから暫くは色んなことにハマりました。バンド。絵を描く。本を読む。女の子と遊ぶ。本当に色んな事を経験しました。

高校を卒業するまでも色々ありましたし、卒業して、就職した今でも。そしてこれからもあると思います。

今、僕は沢山の後悔を抱えています。スレに出会った時とは違い、遥かに沢山の後悔を経験しました。きっと僕にとってはどれもこれも重くて、深くて、悔しい後悔と言えます。

多分、後悔を実感したのはある程度大人になってからだと思います。

これを僕は勝手に"後悔の物心がついた"と言っています。笑

持論ですが、後悔って誰と比べるでも、分かり合うでもないものだと思います。

自分が後悔だと思えば後悔になり、口に出すものでもないので、きっと人間は本当の後悔を知るのが遅いんだと思います。

 

悔しいと思ったから後悔?傷付いたから後悔?他の事がやりたかったから後悔?あの時にああしていればうまくいったかもしれないから後悔?

 

僕が思うに後悔とは、その時に戻れたとしても、思う様にいかないかもしれない。同じ結果に終わるかもしれない。明らかに可能性は低い。

しかし、それでも、それを理解した上でももう一度挑戦したい。そう思う事こそが後悔なんだと思います。

あくまで本当に僕一個人の考えですが。

 

僕の中の後悔にはもう一つ意味があります。

読んでてもわかると思いますが、無理だと承知していてももう一度。そこに前向きではないにしろ、挑戦心があります。

戻ることが不可能だから後悔。しかし、それでも諦めていない気持ちもある意味後悔なんだと思います。

だから僕も多分、本当の後悔はまだ経験してません。それでも口先だけの後悔並べて行きていくと思います。

 

ここで、僕は過去の自分と未来の自分に言葉を残したいと思います。

 

過去の僕へ。

いじめられたり、いじめたり。涙を流したり、外には出さない怒りを心のうちで燃やしたり。出会ったり別れたり。

生まれて初めてああまで愛しいと思えた人とも上手くいかなくなって、離れたね。

悔しかったり悲しかったりで、何も手につかず、何も考えられず、何も感じなくなったよね。学校をサボったり、悪い事をたくさん調子付いて始めたり。馬鹿だのアホだの周りからたくさん言われたね。

でも、僕が馬鹿なのなんて僕が一番よく知ってる。きっと純粋だったから。単純すぎたから馬鹿を演じて、ろくでなしになったんだよね。最低になったよね。

勉強もろくにしないで、頭も悪いくせに、少し上手くいったことがあれば、嫌な事を一切やらず走った。そんで転んで傷だらけ。自分を傷付けたり、人を傷つけたり。

それでも。誰が何言っても、例え未来の僕が言ったとしても聞かないことなんてわかってる。

だから何も否定することも、消したいこともないです。

そのままでいいよ。当時は何もかも辛いだろうけど、早くいつもの馬鹿げた、変な向上心でここまで走ってこい。時間の流れや、他人の気持ちは変えられないけど、それでも走るのはやめるなよ。

今の俺は、そりゃ不満や不平はあるよ。人間として、人間と生きてるんだもん。そりゃしょうがねえ。

でも良いことも、楽しいことも、趣味もやりたい事もたくさんある。今はそれに向かって相変わらず走ってるよ。

人を信じる事をしなかった俺だから何を言っても信じないだろうけど、2つだけ。

お前はそこまで落ちぶれてねえよ。

あと、人生で一番だった人を超える人が近くにいて、彼女を想ってるし、俺を想ってくれてるよ。

だから何が変わるわけでもなくここにきな。

 

未来の僕へ。

今の僕の考えてる事、わかるよね。

走ってくから。君に期待なんかしない。

叶えるのは過去の僕と今の僕だから。君はその時の君が望む方に走って欲しい。遅くなっちゃうかもしれないけど、必ず行くから。

よろしく。

 

皆さんも機会があれば過去と未来に手紙でも書いてみてはどうですか?

きっといつ読み返しても、上手くいってなくても、叶わなくても、その時の自分の言葉と文字と想いは嘘じゃないはずだから。

 

以上!ばいび〜